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ミッドスカイコラム

No.90 将来リスクに対応した50年安心計画

2014年8月26日

ミッドスカイタワーの「50年安心計画」について、以下のように、建築&住宅ジャーナリストの細野透様から「建築費の高騰にどのように立ち向かうべきか、研究しておられますか」との質問をいただきました。

日経BP社 「SAFETY JAPAN」 2014年8月4日付 「『マンション管理神話』を代表する最新例 

当マンションの「50年安心計画」は、修繕金負担を50年間一定にしたことに特徴がありますが、反面で、建築費高騰などのインフレ、災害など将来の費用増リスクにどう対応しているかとのご質問は当を得たものです。
この点について、私たちの検討概要を紹介したいと思います。

第一 支出計画の中に十分なバッファーをおいています。

各修繕事業の単価、人工、更新サイクルは施工業者の標準仕様に従っています。いわゆる「セネコン価格」というもので、実勢と比べてやや高額な前提をベースにしております。

また、当初計画に含まれていなかったタワー式駐車場、40年以降に到来する屋内排水管更新などを敢えて支出計画に取り込みました。さらに、更新サイクルをマンション実態に合わせ短く調整した項目もあります。

このように、施工範囲、価格、更新サイクルなどの諸点において極力保守的な前提を置いて支出額を再構築しました。

支出計画を再構築するプロセスでは、マンションの修繕調査などで定評のある株式会社さくら事務所」様に検証いただき、そのアドバイスを踏まえたものとなっています。

以上の支出を計画通り実行しても、常時2億円以上の余剰資金が手元に確保される計画となっています。50年を通した総余剰額は4億円超となりますが、年によって余剰が2億円超に低下する可能性も否定できないので、「常時2億円を下回らない」という控えめな表現を使っています。この余剰は地震などの震災にも対応できるものです。

第二 日常の保守・修理と組合わせて支出額を抑制する仕組みとしています。

ミッドスカイタワーの修繕費目の大半は、機械や設備の整備・更新費です。これに対して、外壁や外構部整備など10数年1回のいわゆる「大規模修繕」と称される建築関係費の割合が比較的小さいのが特徴です。したがって、機械設備の修繕費をいかに縮減できるのかが、将来リスクを含めた修繕計画全体に大きな影響を与えます。

ところで、機械設備のほぼすべてが、メーカー保守の対象です。この日常保守・修理と計画上の整備・更新を有機的に組み合わせ、設備更新のサイクルを長期化するよう、日常管理の中で工夫してきています。保守と修繕をシームレスにした「状態監視型保全」です。

たとえば、ある機械設備について定期保守の中で不具合が見つかりましたが、若干の費用を投じて部品交換、部材変更などの追加作業を発注しました。その結果、当該設備の実質的な耐用年数が大幅に延長されました。

このような状態監視型保全によって、これまでの個別修繕や修理は表面価格の半額以下で実施できています。

機械設備の定期修繕は、壊れても壊れなくても時期が来たら自動的に取替えるという「予防型修繕」が一般的ですが、私たちは異なった道を歩んでいます。

第三 資産収益を活用して、将来の物価上昇リスクを自動的にカバーします。

ミッドスカイタワーでは数年前から修繕会計の余剰金を積極運用をしておりましたが、今後は1億超の純キャッシュが毎年積みあがるので、安全性と流動性に留意しつつも余剰金のほぼ全額を、毎年証券運用に回すこととしています(ラダー型運用)。このほかに駐車場などの遊休設備の貸出し収入もあります(この収入は年々増えています)。

仮に現在の低金利が継続し、貸出し収入が今後は増えないと仮定しても、例えば今後25年間、修繕予定金額の4%弱(年率、複利換算)の運用収益が予定されます。つまり、年率3%超のインフレが長期間継続しても凌げることを意味しています。

ご案内のとおり、名目金利や各種料金は物価水準と相関しやすいので、今後インフレが続けば、現在の年4%弱の運用収益率が上振れする「チャンス」も出てきます。

以上の資産収益は、計画数値にはカウントはしていない「余禄」です。

50年安心計画には、インフレなど将来の負担増を運用収益で自動的にカバーする仕組みが、ビルトインされています。ミッドスカイタワーの財務についてはこちらをご覧ください。

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